マレーシア就職のメリット、デメリット【現地採用の場合】

2021年6月3日マレーシア就職

1年半のマレーシアでの仕事と生活を振り返っていろいろ思いついたメリット、デメリットを活かして、マレーシア就職へ向けて行動を起こす前になぜマレーシアを選び、その結果起こるメリットとデメリットを理解してあとで後悔することを少なくしてもらえたらうれしい。
実際にマレーシアで現地採用として1年半、働きながら生活したマレーシア生活と仕事のメリットとデメリットのまとめです。

  • 日本での仕事環境と比べるとめちゃくちゃゆるゆる、ストレスフリー
  • 仕事の付き合はほぼ皆無
  • キャリアは自分で作るもの
  • 転職で給料が上がる
  • 国が若く経済成長を肌で実感できる(日本の行動経済成長を知らない人には貴重な経験)
  • 変化に柔軟になり、どこにいても楽しく生活できるようになる

いままでツイートしてきた内容を踏まえた上で、メリットとデメリットを書き出してみた。

仕事面のメリット

  • 有給で2週間以上の休みを取れる
  • 病欠休暇が有給とは別枠である
  • 職場環境がリラックスしている
  • 基本的に残業なし
  • 服装自由
  • 有給100%消化が当たり前
  • 社内イベントは業務時間内にやる
  • 飲み会や業務外での付き合いはなし
  • 業務をこなしていれば、多少のことはお咎め無し
  • 税金が安い

僕が知っている限り東アジアと東南アジアでは、韓国と台湾を除けばたいていの労働環境は日本よりいい。一日8時間労働で残業がほとんどなく、家族優先でプライベートの用事が仕事より優先されるという考え方が一般的で、仕事のために犠牲にするものが少ない。お金のためにと割り切って働くのもしやすい。

仕事面のデメリット

  • 年金、健康保険の社会保障がない
  • 今まで積立た退職金を失う(日本はまだ給与体系が年功序列が多いため、退職すると損をする)
  • キャリアパスは自分で考える必要がある
  • 丁寧な研修や教育がないため、積極的に学ぶ必要がある
  • 税金、社会保障の手続きを自分でやる必要がある

デメリットで特に考えておきたいのが、マレーシアにはどのくらいいて、どんな仕事をしていきたいのか?

現地採用では駐在員のように帰国のタイミングを言い渡されないし、同じ会社で働き続けるのも転職するのも、自分次第。
自分ですべて設計できるのが(思い通りになるとは限らないが)楽しいと思えるかどうかで、現地採用で働くのが向いているかの判断基準になる。

僕の場合だど、入社後の研修が簡素な内容でいきなり実戦投入されて最初の半年ほどは分からないことが多すぎて、このままこの仕事を続けられるか不安になった。
積極的に質問したり、教えるのが上手い人を見つけて学ばない限り誰も面倒を見てくれないので、受け身だと分からないことがあると一人で抱え込み困ることになる。

それから、人事関係の適当さには驚いた。日本だと入社後の社員証や社会保険、給料の振込みなど諸手続きは、人事がやってくれるか流れ作業でやることが決まっていて、何事もなく完了するのが、マレーシアでは銀行口座の開設、税金番号の取得、EPFなど何から何まで自分でやらないといけない。
※EPFは以下の引用で解説しています。

やり方は教えてくれるけど間違った書類を渡されたりして、何度も役所との行き来をしたし、きっと入社後に最初にストレスを感じることかと思う。こういう細かな部分を最初から正確に対応できる日本はさすがで安心できるなあと。

日本の年金とはこんなに違う? いいことづくめのシステム
マレーシアにも「EPF」と呼ばれる年金的なものがありますが、日本のそれとの大きな違いは国民本人が給与天引きで積み立てていったものが、55歳またはそれ以降の本人退職時に多額の利息を加えて払い戻される、という考えです。

一般的に「退職金」というものがないマレーシアでは、雇用されているマレーシア人は必ず加入しなければならず、強制貯金的な存在で、その人を雇用する会社が基本給の13%、そして本人が11%、合計24%を毎月EPF基金のほうに積み立てていきます。現在マレーシアでは市中の銀行の定期預金の利息が3~4%程度であるのに対して、このEPFでは積み立てていった原資に対して5~6%が複利でつくので、退職時にはかなりまとまった金額が払い戻されるということになります。マレーシアではジョブホッピングも盛んですが、職場を変わった場合にも「EPF番号」は引き継がれていくので問題ありません。また、本人負担分の積立金は全額所得税からも控除されるため、いいとこづくめのシステムであると言えます。

なお、この制度はマレーシア国民は労使ともに義務付けられていますが、外国人(日本人)についても任意でかけることができます。その日本人が万一55歳になる前に日本に帰国するようなことになった場合は、その時点で元利合わせた積立金全額を受け取ることができるので、ある程度長い期間マレーシアに在留し就労する日本人は加入するほうがいいかも知れません。日本のように若い世代が老年世代を支えるという年金制度では、世代による損得や最悪破たんが懸念されますが、この国のEPFのように、あくまで本人が積み立てていき、将来本人のもとに大きく返るという制度のほうが、安心感・納得感ともに高いと感じます。

Dejima出島http://www.digima-japan.com/column/law/1899.html

生活のメリット

  • プール付きコンドミニアム(マンション)に月3万〜住める
  • 生活費が安い(1ヶ月6万〜可能)
  • 家具家電付きで引っ越しが気軽にできる
  • 年中温暖で気温が一定
  • 子育てと仕事の両立がしやすい(職場や社会の理解がある)
  • メイドを雇って家事を省略できる変化に強くなる
  • 多民族国家で多様性に慣れる
  • 周りの目を気にしない
  • 自分の気持ちに素直に行動
  • 同調圧力が少ない
  • 空気を読まなくいい
  • 世間体を気にしなくいい(日本で大企業に勤務していた場合)
  • 交渉力がつく

日本にいるときから一人で出掛けて楽しめる一方、周囲に合わせられなかったりして集団行動が苦手なタイプはマレーシアにくると天国です!
誰も細かいこと言わないし、ほっとておいてくれるので自分の素をさらけ出して生活しても、周囲との軋轢や摩擦がほとんどない!

プール付きの広い部屋にコンドミニアムに住めたり、生活費が安いため自由に使えるお金が多くなるのは分かりやすいメリットだけど、手に入るお金と幸福度の相関関係があるのは年収で1000万までという説があるように、お金が増えてもすぐに慣れてしまうのでyれしいのは最初だけ。

それより、残業なしや仕事から帰ってもエネルギーが余っているので、やりたいことに時間が使えたり、空気を読むとか職場の付き合いが全くなくなって幸福度が上がった。

生活のデメリット

  • 治安はそれほどよくない
  • クアランプールでも車社会(公共交通機関が不便)
  • オーガニック製品が食べ物が高い
  • 日本食が高い(1食1000円〜)
  • 日本語だけで生活すると日本よりコストがかかる
  • 自己主張やずうずうしさが身について、日本に帰国した時に浮く

どこににも完璧な世界はないし、ときには諦めることで解決することを学んだのが一番のメリット。状況に応じて「変化する」ことでより快適にストレスを減らして生活できる。

お金や物のように物理的に分かりやすいメリットはないけれど、実際に体験して蓄積されたことは誰もの盗まれないし、後の人生で必ず活かせるので、ぜひ日本以外の国で働いたり生活することには挑戦してみて欲しい!